卒展とキャラクターの話

    漫画専門学校の進級卒業制作展にお邪魔してきました。

    卒展かぁ、懐かしいのう……と、自分の学生時代を振り返りながら楽しく作品を拝見しました。
    個性的な作品が並んでいて、また学生さんが楽しんで作ったのだろうな~という事が感じられてとてもよかったです。

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    一つ気になったのは、展示パネルのこと。
    原稿にトンボを描き込むのは良いのだけれど、何故展示パネルにまでそれが残っているのでしょうか。原稿のトンボは、印刷時の位置合わせ、断ち切りの印です。展示するパネルに残す意味がありません。トンボは制作過程に必要なだけであって、本来お客さんに見せるものではないんです。トンボの残った展示用パネルは、例えればファッションデザイナーが、仮縫いの糸や仕付け糸をつけたままの服をモデルに着せてステージに立たせているようなものじゃないでしょうか。せっかくの発表の場、晴れ舞台にそんな作業工程をのぞかせるような跡を見せるのはどうかと思います。

    学校主催の発表会であっても外部の人間も訪れるのですから、もう少し作品の身だしなみを整えて挑んでほしいです。これではいくら作品の質が良くても「だらしない作者なんだな」という風に見られかねません。もし、仕事を頼んでみようかなという人がそんな風に感じたら、

    だらしない作者→〆切にもだらしないかもしれない→途中でトンズラするかも→仕事やりにくそう→敬遠

    こういうこともありうるかもしれないんですよ。いや、大袈裟じゃなくて!
    せっかく頑張って作った作品、きれいに仕上げて展示してほしいです。

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    漫画作品集も読みました。どれもしっかり漫画らしく描けていたと思います。

    これは、今回の作品集に限らず、webで見る創作漫画(特に漫画を描き始めたばかりという方の作品)にも時々感じていたことなのですが。
    少し、キャラクターの作り込みが弱い気がします。雰囲気や展開などはいい感じなんだけれど、キャラがどうしてそういう行動に出るのか、何をしたいのかがよくわからないのです。おそらく、作者の頭に中ではいろいろイメージがあるのだと思います。でもそれがエピソードや台詞に現れていないのです。世界観やムードは大事です。でも雰囲気だけで描いた漫画は、読後に何も残りません。残るとしたら「雰囲気」だけです。

    これは個人的な好みなのかもしれませんが、私は登場人物たちの関わりが漫画(物語)を読む楽しさだと思っています。誰と誰が何をして、どう感じて、結果何が起こったのか、そんな人間ドラマを見たくて漫画を読むのです。カッコイイキャラがカッコイイポーズでアクションを決めていても、まぁそれはそれで「キレイだなぁ」と思うけれど、漫画として楽しいかと聞かれると「否」と答えます。

    感情移入できるキャラクター、少なくとも「何が目的で、なぜここにいるのか」がわかるキャラを作らないと、物語で言いたいことは半分も伝わりません。キャラクター、特に主人公は物語の中でバスガイド的役目を果たさないといけません。目立つ旗を掲げて、先頭に立って、読者を物語の世界に案内するんです。説明もなく、一人で勝手に何かしているバスガイドさんの後についていく人は、あまりいないと思います。

    若い読者さんは、とりあえず「漫画の形」であれば読んでくれるかもしれませんけどね……うん、いや、どうだろ?若い読者さんほど、キャラクターの魅力を重視するかもしれませんね。

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    実は私、近いうちにこちらの学校でキャラクターについて語らせていただく予定なのです。この作品集を読んで、かなりみっちり「キャラクターって何?」のところから順番に話さないといけないなぁと感じました。ただ、自分はそういうことをあまり理論的に考えたことが無いので、どうやって伝えるべきか頭を悩ませています。

    感覚的に、ガーッとやってグッとくるもの入れてキレイなホワンとしたアレでとか言ってもダメだしなぁ。
    うーん、とりあえず、萌えについて語ればいいかな。(長くなるでー!)

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    追記。
    ラノベの作品集も頂いたので今読んでるところです。
    ラノベ、ラノベの書き方を教えてくれる学校かぁ。漫画の学校っていうのも一昔前からしたら、えらいこっちゃなんですけどねぇ。
    えらいこっちゃといえば、作品の中にBLがあって驚きました。もちろん(?)ガッチュンは無くて、ほのぼのほんわかストーリーでしたが、そ、そうか、BL小説、か……うん。(目が泳ぐ)
    そのうち漫画科でもBL漫画描きたい!って子が出てくるとか既にいるとかだったりするんでしょうか。