浦沢直樹の漫勉

    「浦沢直樹の漫勉」という番組を見ました。
    漫画家の制作現場に密着するという内容で、とても面白かったです。

    最近はデジタル作画の実況をネットで配信されたりしますが、アナログ作画は友人でもない限りなかなか見る機会がないですよね。
    作家さんの作画作業の手元が映されていて、下描き線の少なさや、断ち切り線の外まで大きくはみ出して描く等、とても興味深い映像でした。

    TV画面をコマ割り状態にして、1画面を作画実況、別の画面で出演者がコメントをしているなどの演出もよかったと思います。絵描きからしたら、作画の実況だけ延々見続けても飽きませんけれど、それじゃ番組にならないでしょうしね。

    印象的だったのは「ただ人の絵を描くんじゃなくて、キャラクターに演技をさせる」のが漫画だと、そういう話をされたことです。
    一枚イラストと漫画の違いって、人物が演技をしているかどうかのように思います。イラストもポーズをとって「演技」してる部分もある……といえばあるのですが、漫画はその演技がコマの流れに合わせて続いていくんですよね。その連続した流れにどれだけ「感情」を込められるか、その場の空気を伝えることができるか、そこが難しいと思います。

    山下先生が和紙に墨汁で絵を描き始めたときは「印刷に出るのだろうか…」と思いましたがちゃんと誌面に載ってました。今、薄墨って大丈夫なのかな。昔はだめだったんだけどな。

    あと、この番組がすごいと思ったのは、撮影用の原稿を描いてるところじゃなくて本当の仕事の原稿を使ってたところです。誌面に載る原稿の制作過程なんて、ものすごく貴重ですよね。撮影許可出した作家さんもすごいと思う……

    知ってるようであまり知らない、プロ漫画家の制作現場、とても興味深かったです。山下先生のお家も素敵だった……!
    こういう番組のゲストってだいたい大御所が出てくる印象があるので、今度はもう少し若い、今世代の作家さんも見てみたいなぁと思いました。