小さくまとまんなよ!

    昔、車のCMで、サッカー選手と外国の美少女が出てくるシリーズものがありました。少女はいわゆるツンデレで、「サッカーなんか興味ねぇよ!」と言いつつ、サッカー選手にボールをもらうとこっそり練習してみたり、選手が出場する試合を応援に行ったりしていました。そしてサッカー選手が故郷に帰ることになった時。お別れのシーンで少女は選手に「小さくまとまんなよ!」と言い放ち去って行くのです。私はこの美少女のツンデレっぷりが大好きでした。

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    ところで、私はTL漫画を描いているわけですが。最近どうも、「小さくまとまろう」としているような気がします。自分の勝手な解釈なのですが、このジャンルの読者さんにはあまり「めんどくさいこと」を押し付けてはいけないように思っています。読みきりで、ページ数的にも長くはないので、わかりやすくて身近に感じられるもののほうがいいかな、と。だからキャラクターや世界観もできるだけ「普通」にしようという意識が働きます。

    でも「普通」すぎても面白くないんですよね。漫画ですから、夢のような設定や「そんなバカな(笑」みたいな部分は無いといけない。それはわかっているんだけれど……

    さっきも担当さんと打ち合わせしていたのですが、話を聞いているうちに、自分が「普通」を意識しすぎて、尖がった部分をなるべく削ろうとしていることに気づきました。尖った部分がなくても、まとまってさえいれば、それはそれで作品としては成り立つんだろうけど……。(今回)私が描こうとしていたのは、「そんなバカな(笑」という部分じゃなかったのかな、とハッとさせられました。

    全体のきれいな形を気にし過ぎて、個性の部分まで削るのはなんか違う気がするし、少なくとも私は、多少ゆがんでいても個性的な作品が好きだったはず。仕事をもらえることが嬉しくて、期待を裏切らないようにと気遣い過ぎていたのかもしれないなぁ……。

    ちょっと初心に戻って、本当に好きなものを思い出してこようと思います。
    車CMのツンデレ美少女の「小さくまとまんなよ!」の台詞と共に。

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